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無い袖は振れぬ [求償事故]

 

 

   無い袖は振れぬ



どこの世界でも、いつの時代でも、
取り立てのむつかしさは変わるものではないですね。


交通事故の場合にはさらに難しくて、
落語の人情噺のように、笑っておしまいと言うわけにはなりません。


例えばこんな事故がありました。


信号待ちで停車したときに、
赤信号に気付くのが遅れた、後続車が追突して来ました。

怪我はしなかったものの、愛車の後部は大きくへこんでしまい、
すぐその場で保険会社にその旨を事故報告したところ、

「今回の事故はやられ事故で、保険で相手に払うものは何もありません」
と言う事で、保険事故として受け付けてもらえませんでした。


なぜかと言うと、

肝心の車両保険(自分の車両損害を補てんする)を付けていなかった事で、

自分の愛車の修理代は保険では出ないから、相手から貰って下さい、

相手車両への対物賠償は、過失が無いので保険の支払い対象になりません、

と言うのが理由です。



さてさて、仕方なく加害者にその旨話したところ、なんと!

加害車両には自賠責保険 のみで自動車保険(対物賠償)は付いていません、
との事でした。

 

 

 

こういう場合は、どちらの保険会社も出てこないから、
当事者同士で賠償関係の話を進めるしかありません。


この事故は、その後の展開が最悪の方向に進展していったのです・・・

加害者が賠償問題から「逃げの道」を選んだ場合の典型でした。


加害者との電話連絡も途切れはじめ、
いつまで経っても 事故の話し合いが進まないので、
愛車も修理するのか廃車にするのかを決めかねていました。

思い切って修理見積もりの20万を払うように請求しました。

加害者も最初の頃はしおらしく何とかしますと言っていたのが、
途中から「お金が無いんだ」「無い袖は振れないんだ」と開き直りはじめ、

「修理費20万は高すぎる、せいぜい10万位だろう、20万も払えない」とか、
「お金は無いけど払わないとは言ってない、毎月1万づつ分割でなら 払うから」
などと言って、
その時1万円払ったあとは、電話しても無しのつぶてになってしまいます。

自宅を突き止め待ち伏せしても「今月はお金が無い、来月は何とかする」
などその場しのぎ、あげくの果てはどこかへ引越してしまい、
とうとう被害者も泣き寝入りで諦めてしまいました。


事故で加害者は、謝罪し頭を下げ弱い立場に立っているように見えますが、
本当に弱い立場に立って、被害をこうむるのは、実は被害者なのです。



この事から分るように、
相手から賠償金を取り立てる事は、手間暇が掛かるし、ものすごく大変な事です。


こんな時の為には、自動車保険料は高くなりますが、
車両保険もセットにした契約を、検討される事もお勧めします。

そうすれば、保険会社は車両の修理代支払いを先に済ませた後、
代位求償(契約者に代わって相手へ請求すること)の権利行使で、
相手加害者とのやり取りや取り立てを保険会社が行います。


さらに弁護士費用特約も付けておけば鬼に金棒。

保険会社との交渉を拒否する相手側から、直接嫌がらせや恐喝を受ける場合や、
逃げ得を決め込んだ相手を捕まえて示談成立まで持ち込んだりと、
困った時に役立つ特約です。



最後に、

世の中みんなが良い人であればそれに越したことはありません。

世の中みんなが自動車保険をフルカバーで契約していれば、
この様なもめ事も少ないでしょう。


しかし、現実はその通りには行きません。



なにせ、車を買うのにお金を使い果たし、
自動車保険まで(保険料が高くて)手が回らないという人が増えていると言う、
その結果、無保険自動車との事故が増えてきて、一番「泣きを見る」のは被害者です。

自動車保険全体の約半分の人は車両保険を付けない状態になっているのも問題です、
車両保険料が高いのと同時に、自動車保険の仕組みが段々悪くなってきて、
事故での支払いが起きると翌年の保険料が30%増しになる等、契約者負担が増大する為、

自動車保険を使わないで処理した方が得になるという変な現象が起きています。

保険機能の相互扶助の精神(被害者、加害者の経済負担の軽減)を忘れ、
保険会社が合併統合を繰り返し効率化・利益追求型・株主(主には外国の投資ファンド)への配当優先の方向に、

走りすぎているのではないかと危惧しています。








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